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聖夜の「メサイア」東京独り旅

 2010-12-28
新宿高層ビル

徒歩五分の市役所に新しい停留所が出来て
新宿駅西口行きの直通高速バスが就航しました。
片道1400円と、JRより少々割高ですが
必ず座れるのと、乗り換えなしでほぼ家の前から新宿に出られるので
試しに乗ってみました。

小湊鉄道と小田急が運営しているので
どのバスにあたるかで乗り心地も違ったりします。
(小湊バスは運転が超・荒い!普通の路線でも運転士がミラーで停留所をなぎ倒したり
しっかり踏ん張って掴まっていないと交差点を曲がるときなど振り倒されます。
横浜からの高速バスでは横羽線走行中、パトカーに「そこの路線バス、速度超過!」と
怒られたりしたとか…!)
ほっ、やって来たのはここらでは見ることのない小田急バスでした。

首都高でちょっとだけ渋滞したので、新宿に降り立ったのは80分後。
でも、うたた寝しながら座って行けたので、非常に快適でした。
小田急ハルク前の停留所を降りて振り向けば
眩しい冬の陽に雲が急ぎ足で流れ、久しぶりに見る新宿の高層ビル群。
専門学校校舎の、見慣れないビルもあったりして
どのくらいお上りさんなのか程度が知れると言うものです。

せっかくビックカメラの前に着いたので
機種選定中のデジタル一眼レフカメラを見に行きました。
日・英・中・韓の4カ国語が流れ、すごい人!
人混みの歩き方をすっかり忘れていて往生しました。
をを、千葉で見るよりさすがに機種も多いし値段もお手頃!
しかし改めて買いに来る交通費を考えたらどうかなあ?
とりあえずショーケースに出ているカメラを触っただけでおしまい。

腹ごしらえをしようとレストラン街に降りて行くと、「琥珀ヱビス」の看板が!
で、迷わず昼間っからかる~く一杯。
サイドディッシュにはフィッシュ&チップスを頼みました。
昔イギリスを旅したとき、パブでフィッシュ&チップスを頼むと付いて来た
匂いの強い赤い酢が欲しくなりましたねー。

六本木花屋

だんだん日も暮れて、今夜のハイライト
日本が世界に誇る古楽アンサンブル、「バッハ・コレギウム・ジャパン」演奏の
G.F.ヘンデル・オラトリオ「メサイア」を聴きに、サントリーホールへ向かいます。

地下鉄大江戸線で新宿西口から六本木まで出て、あとはてくてく歩き。
12月24日、地下鉄の中も、六本木の通りも、カップルで溢れています。
まーそーだろーね、イヴだもんねと思いつつも
北風がうそ寒くマフラーから染み通ります。サビシー!

とっぷりと暮れて、道ぞいの花屋は深紅と緑のクリスマスカラー満載。

アークヒルズイルミ

ひとつ角を曲がり損ねて、迷うこと10分。
通りすがりにセブンイレブンがあったので
いかにもオーナーだと思われる人品卑しからざるおじさんに
道を尋ね、親切に詳しく教えてもらって
やっとアークヒルズの裏にたどり着きました。
開場まで間があるので、広場のイルミネーションを見て回りました。
さすが六本木、手が込んでいつつも、シンプルで素敵だなあ。

突然バリバリと大音響がしたので見上げると
今まさにヘリが一機、アークヒルズの屋上ヘリポートに着陸するところ。
わはー、さすが六本木、どんなセレブがヘリで乗り付けたのでしょーか!?

ホール入り口

憧れのサントリーホール、いよいよ開場です。
「響」の文字をデザインしたシンボルマークが渋く輝いて見えます。
わくわく、どんな演奏かな。

BCJの演奏をライヴで聴くのは、10年ぶり以上のことです。
千葉県佐倉市のホールに、J.S.バッハ「ヨハネ受難曲」を聴きに行って以来。
緻密なアンサンブルと、清澄、清明な表現に唸りつつ
ごま塩の長髪頭を振りながら全身全霊で指揮をする
鈴木雅明氏の姿がとても印象的でした。

メサイアポスター

ポスターです。
ソリスト全員まだ聴いたことのないラインナップでしたから
よけいに楽しみ。

サントリーホールの座席は、舞台を囲むように
正面一階席、二階席正面・右・左、そして舞台後方の席に分かれています。
チケットを手配したのが結構ぎりぎりだったので
一階席はもう満杯、二階席も混んでいて
一番お安い、舞台後方のP席を取りました。
これが大正解!
当然、ソリストとオーケストラの顔が見えないのですが
逆に言えば、ずーっと指揮者の表情が丸見えなわけですよ。
それから、映画やコンサートでイラつくこととして
前の席の人が大柄(あるいは髪の毛モリモリ)だと舞台がよく見えないこと。
しかし、P席はかなり急勾配な造りなので、小柄な私でも視界良好!

以前見たときより白髪が増え、少しお痩せになったような鈴木雅明氏が出て来ました。
ソリストの男性が冒頭、ヴェルギリウスの詩の一節を読み上げます。
指揮者、鈴木氏の手が挙がり、オーケストラを見回します。
第一曲シンフォニアの弦がなめらかに鳴り出したその瞬間のことです。
突然堰を切ったようにだーっと涙が流れ、止まらなくなってしまいました。
自分でもびっくり。
まるで星飛雄馬。ちょっと恥ずかしかった。

これほどまで、美しくて真摯で澄み切った表現を欲していたとは。
いったい私は、どのくらい心の奥の欲求を抑えつけ、無いものとして
過ごして来たと言うのでしょう。
カバカバに乾いた感受性に、慈雨の如く降り注ぐ音の輝き。
乾いていたことすら気づかないまでに、私は日常に取り紛れて
日々を打っちゃらかしていたのでした。
「メサイア」を聴きに行きたいと、ふと新聞の広告欄を見て思いたったのは
やはりなんとなく、心にこびりついた垢を落としたいと
無意識に意識していたからなのかもしれません。

全曲盤のCDを何百という回数聴き込んで、音楽の詳しい理屈は皆目解らないなりに
全て曲は頭に入っています。
1997年録音のCDより、少しテンポが速いかな。
それもまたキビキビしていて美しい。
よく見ると、指揮の鈴木雅明氏は、ソリストや合唱と一緒に
歌詞を口にされ、ほぼ全部一緒に歌いながら指揮をなさっていることが判明!
これもP席ならではの楽しみでした。
ソリストの声がダイレクトに感じられないものの
ホールの残響を伴った柔らかな音となってふんわりと返って来て
それもまたよし!
顔が見えない分、弦セクションのボウイングも
上下の弓の動きが強調されてとても綺麗に見えます。
なにより、渾身の力を込めて振る鈴木氏に、まるで自分たちも指揮されているようで
自ら合唱や演奏に加わっているような錯覚が生まれるのです。
この一体感は得難いものでした。わーP席で得した!

ソプラノのアーウェルト・アンデミカエルの、線が細いけど黄金の風鈴のようなコロラトゥーラ。
アルト(カウンターテナー)のクリント・ファン・デア・リンデは
最初調子が掴めないみたいで、高音へ音が飛ぶときに音程が不安定だったものの
中盤を過ぎてからは白銀色の艶やかな輝きを放ち出し
終わり近くなっての表現の深さと説得力はみごとのひとこと。
第一部20曲アリア、「彼は蔑まれ、人々に見捨てられ」は出色の出来でした。
テノールのジェイムズ・テイラーとバスのクリスティアン・イムラーは
突出せず、かつ没個性にならずの優れたアンサンブル能力を発揮
抑えた演技でもって低音部の底力を見せつつ歌の屋台骨を支えていました。
通奏低音のチェロに、初めて鈴木秀美さんを見たわ。
ロマンスグレーが素敵なおじさんでした。

休憩時間に入り、えーいこの際だ、六本木さ来てるだ
オラ、シャンパン飲むダ。と、飲み物のカウンターに直行して奮発。
ごく辛口の黄金色の液体がすーっと喉を通って行く心地よさ。
そこで一句。


   白玉の泡立つ酒は乾きたる喉にこころに染みとおるべき


シックでお洒落なお姉様、おばさま、おばあさまに囲まれて
○まむらで揃えたセーター、パンツ、ネックレスと○ニクロのジャケットは
ちょいと悪目立ちだったかも。まあいいや、だってP席だもの。

第二部39曲ハレルヤ・コーラスでは
鈴木氏はそれまで踏ん張っていたガニ股をピシッと直立に揃え
その指揮ぶりはまるで天に祈るよう。
パワフルでシンプルだからこその深みのある演奏にホール中気分ノリノリで
終わった後の万雷の拍手止まず。

何度も行きつ戻りつのアンコール曲を聴きながら、時計をチラ見してそわそわ。
だって私はシンデレラ、新宿駅西口バス停発22:35発の直行便に乗り遅れたら
地下鉄とJRを乗り継いでの忙しい帰路になってしまいます。
当然、自宅最寄り駅からのバスは既になく、タクシーを使わざるを得ない時間。
最終の高速バスで帰ると言ってあるので
いつもならアッシー君をしてくれる夫は既に呑んでいるはず。

コンサートの余韻に浸る暇もあらばこそ、人混みをかき分けて
地下鉄の駅までダッシュ!
大江戸線六本木駅まで徒歩で行くのは時間がかかってキケンと判断し
営団南北線六本木一丁目駅から乗って麻布十番駅を経由し
大江戸線に乗り換える作戦に。
いや~まったくもうアザブジュバ~ン駅ってまるで嘘っぱち~
だって南北線ホームから大江戸線ホームまで走ったけどこれって
400~500mは平気で離れているんじゃないのー?
これを1個の駅とするのはかなーり無理があるってば~それに大江戸線の深いこと
エスカレーターを駆け下りてはまたもや次のスカレーターが現れ
いったいどこまで潜るの~???駅も車内もカップルだらけで
けったくそ悪いしプンスカプン!

駅伝選手のフィニッシュがごとく汗だくでラストスパートをかけ
ぎりぎり10分前にバス停着。はらほろひれはれ、もう私ぼろぼろ~
喉乾いたけど飲み物を買うヒマもなし。
バス停の白線に並んでいたのは出張帰りらしきサラリーマンが3人
大学生っぽい若いカップルが一組、おにいさん一人、そして私だけでした。
行きのバスも私を含めて乗客2名だったし、まるで貸し切り状態。
クリスマスイヴにこんな乗車率で、この路線大丈夫かな?
うちとしては大変便利なので存続して欲しいものです。

バスはきらびやかな街の明かりを背にして首都高に乗り、快調に飛ばします。
(帰りのバスは必殺走り屋の小湊バスでした!)
車窓越しに、窓の明かりがクリスマスツリーになっている高層ホテル
冬空の下LEDを灯した広場の木々が流れるように後方に去って行き
隅田川を渡る橋からは家々の明かりが漏れるタワーマンションの群れを望み
(あの窓の中の一つ一つに家庭があって、それぞれのイヴを過ごしていることでしょう)
空には、少し痩せた蒼い月が下界を静かに照らしては雲間に隠れ
営業時間を終えた葛西の大観覧車を過ぎる頃から町の灯はぐっと少なくなり…。

少しだけうとうとした間にバスはもう館山自動車道に入って
右を見れば我が家の、その側の京葉工業地帯の不夜城な水銀灯と
フレアスタックの緋色の炎が揺れているのが見え。
月明かりの中、市役所から我が家までてくてく歩き
家族の待つ現実空間へと無事着陸したのでありました。

次の朝起きたら、太腿が軽い筋肉痛になっていました。
地下鉄のエスカレーター駆け下り駆け上りが足にキタのだと思います。
それでも、魂の不要品を振るい落としてもらった心地よさに
また機会を見つけてコンサートに出掛けようと思ったことでした。
次はいつ、そのチャンスが廻って来ることでしょうか。
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「空に」完全版!

 2010-12-10
空に(ウェブ用)

少し前アップしたものより少々要素をマイナスしました。
先生から、「人体の周りの赤がよけい」との講評を頂いて
その真意を汲み取るだけの画力がないままに
「?」と思いながら消してみたら!

あら~~~~。
まるで、絵としての一体感、全体感、言いたい事がはっきりしたではありませんか!
しなやかな強さまで、幾らか+αされたような気もします。
いかにあの「意図的に見せようとしていた赤」が絵の主張を邪魔していたか。
(お暇がありましたら、10/30の記事写真と比べてみて下さい。その差歴然!)

見える人に見て頂くことの重要さを認識しました。

これは約10年、構想を温めて来たもの。
ある日ふと降って来たイメージを
エスキース(小さい下絵)としてスケッチブックに描きとめてから
ずっと寝かし続けて幾星霜。
紆余曲折を経て、やっと今年、期が熟し日の目を見ました。

展覧会に出した後手を入れても、大抵失敗に終わることが多いのですが
これだけは手を入れてよかったと思う事です。
小さな階段ひとつ、登る事が出来たのかも。
それが解るのは、次の作品の出来如何にかかっているので
なかなかシビアですが
まあ、ペースを崩さずゆっくりと歩きたいです。

* * * * *

この絵の底には、インスピレーションの素となった世界があります。
さて…!?







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ミニ紅葉

 2010-12-02
fallcolors.jpg

我が家のちび楓が色づきました。
日の当たらないところに植えてあるので
いつも紅葉はあまり綺麗ではありません。
が、尋常ではない夏の暑さと急激な秋の訪れが影響したのか
今年の紅葉は綺麗です。

日に日に色変わりして
枯れ始めた枝も。

小湊鉄道のHPによると
市内の紅葉の名所、養老渓谷や
車で1時間かからないで行く富津の山中、もみじロードの紅葉は
もう終わり近く、今週末が最後のチャンスだそうです。

養老渓谷と言えば
駅徒歩5分の処に「アートハウスあそうばらの谷」という
古民家ギャラリーがオープンしました。
こけら落としの立体作品展があるそうなので行こうかな。

しかし、小湊鉄道最寄り駅から養老渓谷駅まで
片道千なんぼの運賃がかかります。コレは痛い!
のんびり初冬の田舎路をカタコト揺られて行くのもいいかなと思いましたが
結局は週末ラウムくん2号で出掛ける事になりそうです。
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