FC2ブログ

毛利武彦追悼回顧展@箱根成川美術館

 2011-07-31
水筒

7月のある日。
恩師である日本画家・毛利武彦先生の追悼回顧展があると聞き
箱根・芦の湖畔に建つ成川美術館まで行ってきました。
混雑を避け、文化祭の代休の月曜日に出掛けたので
新宿駅では通勤の方々を尻目にロマンスカーに座ってなんだかとってもいい気分!
愛読書は時刻表!な夫がおトクなきっぷを見つけてくれたので
水筒にお茶を詰めて、いってきまーす。

小田急EXE
行きに乗ったのは小田急のEXEというロマンスカー。
横須賀に住んでいたので子供の頃箱根と言えばマイカーで日帰りドライブ。
一度は乗ってみたかった憧れのロマンスカーです。
オルゴールのような優しげな警笛音が大好きでした。

ラッシュな対向列車を尻目に、優雅~に箱根湯本に到着!

箱根バス停
湯本からはバスに乗り換え、美術館までうねうねと国道1号線を登ります。

箱根大王杉
バス停を降りてすぐ、美術館の前の坂に着きました。
樹齢3,000年と言われる大王杉が迎えてくれました。
成川美術館は箱根に遊びに来るときは必ず立ち寄る美術館ですが
これもいつも車なため、守護神のような大王杉をしげしげと眺めるのは初めてです。

成川看板
毛利先生のお名前が看板に…。
カバーのついた変てこなエスカレーターを上がって美術館へ。

成川美術館入口
入口の字は平山郁夫先生の筆だそうです。

成川芦ノ湖
美術館の展望ロビーからの眺め。
バスに少し酔ったので、芦ノ湖を望むソファーで一休み。
湖の向こう、赤い鳥居の上に
夏場の黒い姿をした富士山がちょっぴり見えました。

この風景、見覚えがありませんか?
NHKの朝のニュース番組で時々映る富士山と芦ノ湖の映像は
この成川美術館ラウンジ横に備え付けられたカメラによるものだそうです。
道理で。

毛利武彦追悼回顧展

展示室に入ると、優しさの中にも厳しい光を宿した先生の写真が飾られており
エーカゲンな駄目学生だった私にもあの頃の先生の佇まいが思い出され
言葉にならない感興が浮かんで来ました。

今回は第一回目の追悼展ということで
各年代から代表的な作品が並べられていました。
東京の創画会の展覧会で見たあの作品この作品
存命中に開かれた山本丘人先生との二人展を
大学の友人とはるばる五浦まで観に行ったこと
講評のときの鋭い眼と
たとえ相手がヒヨッ子の学生であっても
ひとのこころの内側の機敏を見抜こうと努めておられたこと…。

いろいろ思い出されて。
一緒についてきた娘はいったいこれらの作品をどう受け止めるのだろうか

二人の親友を戦争で亡くし
残されたご家族から譲られた形見の胡粉(白色の絵の具)を使って描き上げられた桜の大枝

かつて「感傷に過ぎるか」と仰りながらも
ご友人二人と、お母様と
3枚の散る花びらを描き加えずにはいられなかった心情を吐露しておられたこと

秋の日を浴びて赤銅色に散ろうとしている桜の枝の中に
一羽の山鳩が描かれているのを初めて発見(画集では解らなかった!)
これはきっと先生が自分の思いを託した自画像ではないかと、娘と話したことでした。

夫は大画面で大迫力なのだけれど静かな緊張感と刻まれた歴史の深みを描き切った
唐招提寺の作品に感銘を受けたと言っていました。

わずか青春の日々のほんの何年か出会っただけに過ぎないのに
あの頃先生から受けた薫陶はごく僅かしかないのですが
美の基準や感性の磨き方、どれをとっても今の自分の礎となるものを頂いたこと
出会いの偶然を取りはからってくれた運命に感謝です。

同時開催で、平松礼二先生の展覧会が大々的に開かれていましたが
なーんか、毛利先生の作品群を観た後では
ぼやけてみえるというか、失礼ながら表現の必然性とか品格とか
とても及ばないなあというのが感想でした。

小涌谷駅
さて、美術館横の蕎麦屋で昼食を摂り
(桜エビの素揚げがとても美味でした。これをアテにしてビールで乾杯!)
またバスに乗って帰ります。

小涌谷で箱根登山鉄道へ乗り換えました。
テツな夫がスイッチバックを体験してみたいという希望があったためです。
私もスイッチバックの路線は乗ったことがないので興味津々でした。

小涌谷線路
小涌谷駅のホームで箱根湯本行きの電車を待ちます。
夏草が黒々と茂り、深山幽谷の趣ですね。
このまま向こうに走って行ったら、まるで電車ごと深い山に取り込まれてしまいそうな雰囲気。

小涌谷踏切
この先の踏切は、毎年お正月に開かれる箱根駅伝で
選手の通過に合わせて電車が止まることで有名な踏切なんだって。

箱根登山鉄道
電車が来ました!
新旧取り揃えて、夫は大喜び。
可愛い電車ですねー。

線路の紫陽花
ちょうど沿線は名物の紫陽花が満開でした。
別にそれを狙って行った訳じゃなかったんだけど、とてもラッキー。
山肌をうねうねと沿うように、ゆっくりゆっくり電車は進みます。
なにせ勾配がものすごい急!

スイッチバック
これがスイッチバック。
勾配が急過ぎる場合、運転席と車掌室を交代しながら
行ったり来たりしてジグザグに登ったり降りたりする線路の仕組みです。
どん詰まりまで行ったら、運転士と車掌がてくてく交代し、逆行して坂を降り
また線路の終点に来たらもう一度運転士が前へ、車掌が後ろへと入れ替わって
今度は反対向きに進んで降りてゆきます。
行ったり来たりがなかなかオモシロイ!
夫は大喜びで携帯でずーっと動画を撮っています!!!

箱根湯本
箱根湯本駅まで降りてきました。
駅の売店でお土産を買って、新宿まで戻ります。
ちょうど最新鋭のロマンスカー、VSE 50000系のキップが取れたのでわくわく。

50000系ロマンスカー
ゆっくりと真っ白なVSEが入線してきました。
鼻のとんがりが特徴的です。

先頭車両
やったね先頭車両!
見晴らしがよく、座席も微妙に窓側に向かって斜めについていたりと
旅心満載の車両です。

ブルーリボン
車両デザインが賞を受けたようですね。

アテンダント
VSEではアテンダントのお姉さんがメニューを持って
コーヒーや軽食、お弁当等の注文を取りにきてくれます。
VSEの形をしたお子様弁当(箱は持ち帰りOK)があって
夫は「う~~~ん」としばらく悩んでいましたが
VSEのちっちゃい携帯ストラップを買って満足してました。

と、見ると
前の座席に独りで座ったサラリーマン風のおにいさんの所へ
アテンダントさんが何か持って来ました。
座席の隙間からそーっと覗くと、をを、先ほど購入を迷った
VSEのお弁当じゃありませんか!
VSEの名入りオリジナルカップに入ったコーヒーも。
食べる前に携帯のカメラで一心に写真を撮っている模様。
あのお兄さんも絶対テツに違いないっ!!!

VSE50000系
快適な乗り心地で新宿着。
千葉から日帰りの強行軍ではありましたが
得るものたっぷりの良い旅ができました。
次回の追悼展もこのパターンで行けそうです。

東京の海
日帰り箱根の旅を可能ならしめた、新宿駅西口発我が家から徒歩5分の停留所まで
高速バスが就航し
都内からどこかへ行く時、大変便利になりました。
バスに乗り込み、うとうとして、ふと眼を上げたら
ちょうど首都高の橋の上を走っていました。

どんよりアオミドロ色に染まった都心の空と、淀んだ海の水
先ほどの青葉萌える箱根の山中とは打って変わった
懐かしく見慣れた都心の自然の姿です。

左側のツインビルの間にかすかに
建設も大詰めを迎えたスカイツリーが一瞬かいま見えました。

箱根のお土産
お土産~。
この他にも桜の花の塩漬け、小田原・鈴広の揚げかまぼこ、わさび漬け、おせんべい等を買い込み
思い出と共に晩餐としたのであります。
スポンサーサイト



タグ :

被災者応援はがき絵展 Pray for Tohoku Post Cards 公開

 2011-07-06


この春、千葉県立美術館にて開催されたmsb2011chiba展において企画されました
「東日本大震災の被災者を応援しよう ハガキ絵展」を
もっと広く皆様に見て頂きたく、スライドショーに致しました。
クリックしてご覧下さい。

Pray for Tohoku Post Cards; Massive Earth Quake and Tsunami, Northeastern Japan.

この度の震災により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。いまだに余震、食材出荷停止、放射能汚染問題と不安な日々が続いております。そんな中、私たちは「絵を 描くという表現手段」を用いて被災者の皆様へ励ましを伝えたいという祈りを胸に制作しました。作家一人一人のメッセージを感じ取って頂けたらと思います。

We are sending our "Painted Post cards" for you. We made these cards thinking of you and hope they will cheer you up.

【Members】武蔵野美術大学校友会千葉支部有志/韓国蔚山大学校美術大学東洋画科教授・金仁子/学生有志

The Alumni Association of the Musashino Art University Chiba Branch, Japan. Professor Kim In-Ja and her students of Oriental Painting; College of Fine Art, Ulsan University, Korea.
タグ :
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫